2012年12月23日日曜日

仮面ライダー 1971-1973 石ノ森 章太郎 (著), 和智 正喜 (著)


・ある程度世界観は踏襲しつつ、登場人物も同じだが、新たなライダー世界を描いた小説。ハッキリ言って傑作!

・「誕生」「希望」「流星」の3編から成っているが、最初の「誕生」が最高。熱いし、カッコいいし、泣ける!そのインパクトが強過ぎて、残り2編は若干のボルテージダウン気味に感じた。「流星」では少しV3以降のライダーを視野に入れた描写があるが、基本はあくまでも本郷猛のストーリー。

・この一連の作品の大きな魅力は、ショッカーがある程度の奥行きをもって描かれている点。それ故、死神博士、地獄大使、そして何よりもゾル大佐が、素晴らしい魅力を放っている。ゾル大佐は何とナチスの(以下、自粛)。ショッカーにとっての「命」、本郷が守る「命」、ショッカーでありながら本郷を愛してしまった女が大切に思う「命」。本作は生命観を巡ってのストーリでもある。

・造形がとてつもなくカッコいいけどストーリーが少々残念だった仮面ライダー THE FIRSTは、本作をベースにしたらよかったのに。

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