2015年2月15日日曜日

ターンエーの癒し 単行本 富野 由悠季 (著)

 一連のガンダム作品の中では、ターンエーガンダムが一番好きで、奇跡のような作品だと思っている。全ての始まりだから、やっぱりファーストでしょという知り合いもいるが、それを言ってしまうと広がりがないので、自分としてはファーストは別格だと位置づけている。ちなみに、今、リアルタイムでやっている「ガンダム Gのレコンギスタ」は富野さんが直々に監督を務める久々のガンダムだが、ターンエーガンダムへの橋渡し的な位置づけを感じさせる。

 そんなターンエーガンダムの制作舞台裏を富野監督自身の弁で読み解けるものと期待したのだが、期待外れだった。これは、こちらの期待が勝手なものだっただけということ。実際は、富野監督が、のたうち回っていると言うか、のたくっている姿を、読みづらい文章でつづっているという内容で、しかも、それがすこぶる偏執狂的なもの。そこここに、監督の作家性やガンダム、アニメ、映像作品に対する洞察なども散見され、興味深く読めるスポットはあるのだが、そんな偏執狂的な文章の波間にあるものだから、かなり読みづらいものだった。よい言い方をすれば、等身大な文章ということかな。

 ところでTV版のオープニング/エンディングソングは西城秀樹/谷村新司が歌っているのだが、本書で紹介されている彼らとのエピソードは、富野監督の性格とも相まって、なかなか感動的。

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